ご挨拶

慶應義塾大学病院では、1968年に血液透析を行う施設として腎センターが開設されました。このセンターは腎臓病から腎移植、血液透析まで、一貫して腎臓に関係した診療を行うべく開設されたのですが、その後の状況の変化もあり、1989年からは主に外来、入院の血液透析と、外来腹膜透析を担当する施設として、中央透析室と改名して診療にあたってまいりました。そして、2009年4月からは、近年の血液浄化療法の進歩を踏まえ、医学部血液浄化・透析センターとして新たに発足することとなった次第です。

現在、当センターでは、従来からの末期腎不全に対しての透析療法を中心とした診療と、それに加えて、様々な血液浄化療法を広く実践しています。透析療法については、新たに血液・腹膜透析が必要となった方がスムーズに透析療法を始められるようお手伝いするとともに、慢性透析を受けている患者さんの合併症をいかに軽減し、生活の質を保つかという点を重視した外来透析を行っています。様々な疾患により急性腎不全を生じた場合は、透析療法が、唯一の救いであり、私どもが最も必要とされる時でもあります。また、他の診療科での治療のために入院された透析患者さんが、その治療に専念できるように、透析療法については安心してお任せいただくということも重要な診療の一つです。血液浄化療法に関しては、消化器疾患に対しての白血球除去療法、自己免疫疾患に対しての免役吸着療法など幅広い治療に対応して、いわゆる難治性の病気に悩まれる方が少しでも早く快方に向かうように、治療のお手伝いをしております。そして、これらの日常の診療に加え、透析療法の専門医の育成、透析合併症を中心とした基礎・臨床研究を展開し、社会に貢献しております。

当センターでは、今後も、皆様に最良の透析療法、血液浄化療法を、安心してお受けいただけるよう努力をするとともに、未来の発展につなげるべく、これからも精進して参ります。


慶應義塾大学 血液浄化・透析センター
教授、センター長
林 松彦

トップページの解説

トップページのイラストに、女神風の女性が描かれ、その手には矢を持っている姿が見えるかと思います。この絵は、1999年の日本医学会総会の広報用に、アメリカ在住の佐野一彦画伯に依頼して、特に描いていただいたものです。女神の持つ矢の周囲には過去にノーベル医学・生理学賞を受賞した業績、ペニシリンの化学構造、CT scanなどの絵が置かれ、その絵に囲いが描かれています。お気付きでしょうか。矢の周りに囲い、「医」という文字が隠されています。血液浄化・透析はノーベル医学・生理学賞は受賞しておりませんが、致死的であった腎不全という病気を血液透析が救ったという点では、大きく医学に貢献しております。私どものセンターも、この絵に描かれたような医学の発展につながる成果を挙げて行きたいという夢を抱いております。