臨床研究

血液浄化・透析センターにおける臨床研究

血液浄化・透析センターにおける臨床研究を簡単に紹介します。

1. 透析導入前におけるエリスロポエチン製剤使用が腎性貧血進行に与える影響の検討

慢性腎不全が進行すると、腎性貧血が現れるようになります。貧血を改善するために、造血ホルモンであるエリスロポエチン製剤の注射を行いますが、その使用方法・使用量が腎性貧血・慢性腎不全の進行に与える影響を検討しました(Keio J Med, 2017, 66: 44-50)。

2. 慢性透析患者における透析見合わせに関する現状調査

透析治療は慢性腎不全の患者さんにとって、生命の維持に不可欠な治療ですが、終末期には透析の実施が生命の危機を引き起こすこともあります。患者さんや家族の意思を尊重し、最期までより良く生きられるための支援方法を確立するために、当院での慢性透析患者さんの透析見合わせの状況・終末期の状況を診療情報から調査しています。
PDF(Optout-HDnurse)

3. 血漿交換療法の治療効率に与える要因に関する研究

天疱瘡や類天疱瘡といった皮膚疾患、さらにはギランバレー症候群や重症筋無力症といった神経疾患は自己免疫疾患として知られています。治療法の1つに血漿交換療法がありますが、血漿交換療法による自己抗体の除去効率に関する研究は十分ではありません。自己免疫疾患に対する血漿交換療法の治療効率に与える要因を明らかにするために、患者さんのデータを診療情報から調査しています。
PDF(Optout-PE)

4. ワルファリンとカルシフィラキシスに関する研究

カルシフィラキシスは慢性透析患者さんに、稀にみられる難治性皮膚疾患です。我々はこれまでに、カルシフィラキシスの診断基準を提唱しました。また、カルシフィラキシスの発症に対して、ワルファリン内服の影響があるかどうかを調査しました(Nephrol Dial Transplant, 2012, 27: 1580-1584 & Clin Exp Nephrol, 2016, 20: 787-794)。

4. 最近の論文リスト

  • Hayashi M, Takamatsu I, Kanno Y, Yoshida T, Abe T, Sato Y, Calciphylaxis Study Group. A case-control study of calciphylaxis in Japanese end-stage renal disease patients. Nephrology Dialysis and Transplantation. 27: 1580-1584, 2012.
  • Hayashi M, Abe T, Iwai M, Matsui A, Yoshida T, Sato Y, Kanno Y, Warfarin Study Group. Safety of warfarin therapy in chronic hemodialysis patients: a prospective cohort study. Clinical and Experimental Nephrology. 20: 787-794, 2016.
  • Yoshida T, Hayashi M. Anemia treatment by erythropoiesis-stimulating agents during the 6 months before the initiation of hemodialysis: Comparison of darbepoetin alfa and continuous erythropoietin receptor activator. Keio Journal of Medicine. 66: 44-50, 2017.
  • Niwa N, Yoshida T, Mizuno R, Kikuchi E, Miyajima A, Hayashi M, Oya M. Pre-operative and post-operative estimated glomerular filtration rate in Japanese patients with urological malignancies. Clinical and Experimental Nephrology. 2017, In press.